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その2 飯田線秘境駅号


2017.9 飯 田線秘境駅号の旅 コンテンツ
その1 往路  伊那路1号
そ の2 復路 飯田線秘境駅号【このページ】
小ネタ 飯田 線秘境駅号の車両運用
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◆ 天竜峡 (13:27発) ◆


13:24、飯田線秘境駅号が入ってきました。(鏡に対向ホームの213系を写し込んであるのがポイントです)



先頭の3号車には飯田から乗ってきた乗客がぎっしりで、私達のツアーが利用した2号車、後ろの1号車も満席のようでした。
行きは定期特急をツアーが利用する形でしたが、帰りは完全な観光列車なので、雰囲気がよりいっそう賑やかになりました。




◆ 千代 (13:33着 停車7分 13:40発) ◆

座って席を温めるひまもなく、最初の停車駅千代に到着。
ホームに出てびっくり。「ええっ、こんなに乗っていたの??」

元々、秘境駅と呼ばれる駅は観光客を収容するためのものではなく、カオス感がすごい。風景は秘境だけど、雰囲気は京都の伏見稲荷の千本鳥居です。(こちら は、さすがに外国人は居ませんでしたが)

「駅名標に触ると長生きできる」なんて車掌さんが言うものだから、駅名標の前は高齢者が群がっていました。肖像権?? 何それ?? 撮っちゃうよ……(撮影が目的の観光列車の旅なので、最低限の加工をしたあとはバシバシ掲載していきます。)

7分の停車時間では、何をするでもなくあっという間に発車時刻となりました。








◆ 金野 (13:42着 停車7分 13:49発) ◆

千代の隣の駅です。こちらでも「駅名標に触ると金運が……おいおい」
長生きできる「千代」駅よりも、金儲けの「金」野駅のほうが大人気で、なかなか場所が空きませんでしたww



ここは、ホームから降りると少しは秘境気分が味わえるので、先程の千代駅よりもゆとりがある。




人が居なければ風情のあるところなのですが、秘境駅に自力で来ようとすると、1日で3つ回れるかどうか。おまけに1つの駅で2〜3時間過ごさなくてはな りません。



ここで、車両をチェックすると、案の定、先程乗ってきた「伊那路1号」と同じ編成でした。
(乗った車両は違います)




先頭部にはこのようなヘッドマーク、というか方向幕が付いています。
たいへん趣のあるデザインですが、方向幕としての視認性はゼロに等しく、観光列車だから許されるのでしょう。
(JR東海内部でも、比較的現場で決められる自由なプロジェクトなのだと感じました)





発車前の車内の様子。実は、373系に乗るのは今日が初めてだったりします。
313系より通路が狭い分、座席はゆったりしています。
日帰り客が多いのか、荷棚の上は空いています。
窓の外では、添乗員が発車時刻を示しながら乗客を見回っています。





◆ 田本 (14:04着 停車14分 14:18発) ◆






上記のような絶景が撮れることで有名ですが、ここに上がるための階段が狭く、すれ違いもできないほどです。
場所に限りがあるため、人数を絞って階段を一方通行にして対応していました。
14分という限られた時間で100人以上を上げなくてはならないので、添乗員も大変です。


崖を切り開いて作ったホームも最低限の広さで、難工事がしのばれます。

ちなみに、373系サイドの方向幕は「臨時」 これは、JR東海の企画列車共通とのことです。






◆ 温田 (通過)  ◆

ここで、午前中に追い越した「下りの」飯田線秘境駅号とすれ違いました。下りが停車しているところを上りが通過するような感じでした。
車掌さんが「お互い手を振ってください」とアナウンスすると、こちらも向こうも若干の人が振っていました。






◆ 為栗 (14:25着 停車12分 14:37発) ◆



ここの停車時間が長めなのは、吊橋から眺める飯田線が絶好のビュースポットだから。





と、誰が撮ってもこんな感じの写真が撮れます。紅葉シーズンだと良さそうですね。




吊橋まで行かない人や、短時間で戻ってきた人はつかの間の散策を楽しんでいました。




ダム湖(平岡ダム湖)の脇を走行中です。
車掌さんが「撮れ撮れ」と促し、電車の速度も落ちたので、誘われるまま少し撮ってみました。






◆ 平岡 (14:45着 停車17分 15:02発) ◆


天龍村の役場があるような大きな集落の中にある当駅は秘境駅ではありませんが、地元の人が物産品を販売するために17分停まるとのこと。











駅前にはテント張りの模擬店やきぐるみキャラまで居ました。



私たちと利用した上りとは逆方向の「飯田線秘境駅号」は列車交換と退避のため、40分も停まるそうです。
退避というのは、急行の飯田線秘境駅号が普通列車に抜かれるという珍しいものです。
40分あれば町並みにも足を伸ばせるのに……




◆ 伊那小沢 (15:07着 停車6分 15:13発) ◆




「秘境駅ランキング」に新たに加わったとのことで、今年から飯田線秘境駅号の停車駅に加わりました。
行き違いが出来て、駅の外にも出られますが、6分は短いです。
構内踏切から真正面のカットを撮ってみました。






◆ 中井侍 (15:16着 停車7分 15:23発) ◆



電車からは見えませんが、駅の上の小さな集落11軒でお茶を作っているとのこと。
ホームでそのお茶の販売がありました。
(地元がお茶の名産地なのでわざわざ買わなかったけど)

ここは、軟弱地盤のため、線路を途中で付け替えているとのこと。飯田方向を見ると古いトンネルがみえるのですが、おわかりでしょうか。



秘境駅も6つ目となり、飽きてきたお客さんが車内に残っていたりします。



赤丸印が旧トンネルです。




◆ 小和田 (15:28着 停車15分 15:43発) ◆



最後の秘境駅は「有名になりすぎた秘境駅・小和田」です。
停車時間が長めなのと、駅の下に古い製茶工場があるため、お客さんが分散して少し静かに見ることができました。
眼下には、全長33kmある佐久間ダム湖が見えます。
昔は集落があり、他の駅より立派な駅舎が建てられましたが、集落の大半がダム湖に沈んでしまい、秘境駅になったとか。









三県の分界点なのだとか。
正式な分界点はダム湖の上にあるのですが……




当駅まで車でアクセス出来ないことの他、このような立派な駅舎が残っているからこそ、秘境駅の王者に君臨出来るのかもしれません。





◆ あとは帰途へ ◆

飯田線秘境駅号の停車は小和田までで、終点豊橋までは客扱いはありません。(運転停車はもちろんあります。普通列車の後にスジが引かれているので、普通優先なのです)

S字鉄橋とか見どころの案内はありますが、このあたりまでは行きに興味津々で見てきたところなので、カメラをしまい、景色を眺めながらぼんやりと過ごしました。
17:54、定刻通り豊橋に着き、東海道線に乗り継いだのですが、車内の雰囲気は全然違っていました。
「みんなスマホ見てる……」

旅行記・完





秘境駅ランキングについて

JR東海のような大鉄道会社が「秘境駅」と呼んでいる駅、実は個人のサイトで公表されているもので、個人による評価です。
牛山隆信氏のサイト「秘境駅へ行こう」で紹介されている順位をJR東海では採用しています。

後で調べてみると、下記のような基準で数値化されて選ばれているとのこと。だから、行きにくい駅ばかりなんだ……
一つ苦言を呈するならば、「列車到達難易度」が引っかかりました。せっかくの風光明媚な駅だからと、アクセスするための列車を増発するとポイントが下がってしまうのですから……


以下枠内は、牛山隆信氏のサイト「秘境駅へ行こう」より転載
http://hp1.cyberstation.ne.jp/hikyoueki/Top50-2017.html

   秘境度 とは、周囲が断崖絶壁、深い山林、荒涼とした原野にあり、人家が無い(少ない)場合などに高いポイントを得ます。
   雰囲気 は、木造の駅舎や待合室、板張りホームなど、古い歴史を感じさせるものに高いポイントを得ます。
   列車到達難易度 は、列車本数が少なく、普通列車でも停車が少ない場合に高いポイントを得ます。
   外部到達難易度 は、駅までの道が無い、登山道、未舗装路など、外部からのアクセスが困難な場合に高いポイントを得ます。
   鉄道遺産指数 は、スイッチバック、ループ、引き込み線、廃線跡などの鉄道遺構(現役含む)に高いポイントを得ます。
   総合評価 では、上記の5つの項目における合計点によって、ランキングが決定される仕組みになっています。









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