その1 症状発見〜通院、唾石症とは
その1 症状発見〜通院、唾石症とは(このページ) その2 入院と手術
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ここに書かれた内容は、しゅんしゅんがH大学附属病院で体験したことであり、同じ顎下腺唾石症の治療でも、病院や医師の治療方針によっては、こちらに記載したケースと異なる場合があります。また、多少脚色していますので、他のサイトや専門書なども参考にして下さい。 |
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〜リンパ腺の腫れだと思っていた〜 第一ステージ かかりつけ医の見立てと紹介状 |
右の顎の下の違和感は、10年ぐらい前から感じていました。 顎の下を押すと、こりこりと何か膨らんでいるのです。体調によって大きくなったり、小さくなったり。 かかりつけの内科医師に相談したら「リンパ腺の腫れ」との診断。リンパ腺を取るのは大変な手術だし、抗生物質で治るから……と痛むときは抗生物質をもらっていました。 ただ、なかなか治らないので、別の医師に診てもらった折りに尋ねてみても「リンパ腺の腫れ」 内科医、内科医、皮膚科医……3人の先生がそう言うのなら、と信じ切っていました。 転機が訪れたのは、2009年の夏。顎の下の「リンパ腺」が大きく腫れ上がり、モノを飲み込むときに喉に激しい痛みを感じました。 夏だというのに水も満足に飲み込めません。おまつりを目前にし、あわてて医師の元にかけつけ、結局、その時は点滴で腫れを抑える治療を受けました。 8月上旬。まつりも終わり、いつものように「リンパ腺」をぐりぐり押していると、突然、口の中に塩辛い液体が涌き出てきました。吐き出すと、濃黄色の痰か膿のようなものでした。 更にぐりぐり押して、膿を絞り出すとすっきりと楽になりました。 そうか。膿は絞り出せばいいんだ…… 溜まっている膿を片っ端から絞り出していれば、「リンパ腺」の膨らみは小さくなり、痛みもなくなるので、いつしか主治医から抗生物質をもらうこともなくなりました。 ところが、2010年1月。風邪で主治医にかかった折にリンパ腺の腫れのことを聞かれたので、膿を絞り出してすっきり治しています、と伝えたところ………… 「半年も膿が出ているなんておかしい。一度病院で診てもらった方がよい」と、紹介状を書いてもらいました。 (その前に別の病気も疑われて培養検査をしたが、そちらはシロ) |
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第二ステージ・N病院 |
区内にあるN病院は、新築移転されてきた大きな総合病院で、紹介状がないと別途3,000円かかる、特定機能病院です。 一人目の耳鼻科の先生は、喉を丹念に調べた後、「(かかりつけの)K先生はどうしてこんな患者よこしてきたんだろう……」と不審がった後、医大から派遣されている先生に診てもらうようにと言われ、先生が来る日の予約を取りました。 予約日の午後。医大から来ている先生は、喉をぐりぐりと触った後「唾石症の疑いがありますね」と言った後、「食事は何時に摂られましたか?」「13時です」「うーん」 ・CTには、そのまま撮る「単純CT」とは造影剤を注入する「造影CT」がある ・本当は造影剤を注入したいところだが、食事から時間が経ってないので、造影剤の副作用で吐く恐れがある。 ・造影剤無しの単純CTだと、唾石であれば映るが、炎症だと映らない。 ・したがって、もし唾石症で無い場合(唾石が発見されない場合)は別の日に撮り直すことになるので、2回分の料金がかかる と説明を受けた後、多分唾石ではないかという見立てで、2回撮影するリスクを承知で撮影に臨みました。 結果、単純CTで唾石がみつかりました。1cmのと5mmの、2つ。 口腔内に簡単な麻酔をし、CT画像を見ながら先生は器具で触診。 唾液の出る穴から唾石に触れることができたが、穴は3mmぐらいしか広がらないのに対し、石は1cmあるので、外来では取り出せない。全身麻酔下でのが必要、と診断しました。 手術の時期は? と尋ねたら、Sさんがよければ先でもいいですよ、とのこと。 私は、自宅から近くて建物も新しく、設備の整っているN病院で手術してもらえるものだと思ったところ、N病院は外来の耳鼻科医が一人しかいないので、耳鼻科の手術は対応していない、と衝撃の説明。 手術のできる病院として、先生がいくつか挙げてくれた所は、市内でも超一流の病院ばかり。そんなに大ごとだったとは。 私は、その中でも自宅から最も近いH大学附属病院を希望し、紹介状を書いてもらいました。 紹介状にはCD−Rも添付されており、先ほど撮影したCTのデータが入っているとのことです。 自宅に戻り、女房に話しました。女房は、昨夏、私が喉の痛みで呻吟したり点滴を打ったりしたことは承知していましたが、まさか、全身麻酔下での大手術になるとは……と衝撃を隠しきれない様子。 というより、手術いつにしようか? 医師の話だと概ね1週間の入院。ネットで調べると、入院1週間と、予備日3日程度、10日くらいは社会活動ができないようです。 今(1月)からだと、2月までは勤務調節は困難。3月は年度末で忙しいし、4月はPTA会長に就任するため各種行事が。5月は6月から始まるイベントの準備で忙しいから……5月下旬の運動会の後にしよう! (イベントは始まってしまえば、多少自分の手を離れても大丈夫) |
顎下腺唾石症について | |
顎下腺(がくかせん、がっかせん) 顎下腺というのは、文字通り顎の下にある組織で、唾液を作る働きがあります。 唾液を作る組織は、顎下腺2つ、耳下腺2つ、舌下線2つと合計6つあり、一つぐらい取っても問題ないので、今回は顎下腺ごと唾石を取ってしまおう、というわけです。 私の場合、長年蓄えていた唾石のために、顎下腺に炎症を起こしていたのと、再発しやすい……ようです。 唾石(だせき) 顎下腺や口腔の唾液排出口までの導管中にできた結石が「唾石」です。カルシウムが沈着してできます。 唾液の通る導管が塞がれる訳ですから、痛みや炎症、ひどくなると膿や出血を起こすのです。 取り出すには、口の中から切開して石だけ取り出す方法と、顎下部を皮膚切開して唾液腺(顎下腺)とともに摘出する方法があります。 傷跡を残したくない女性や、石が小さい場合は前者の方法が採られますが、私の場合は(1)男性であること (2)石が大きく、口腔内からだと取りにくいこと (3)顎下腺も取りたい、という理由で外側からでないと無理、とのことでした。 また、顔の神経が集中している場所を切開するため、手術は全身麻酔下で行われ、尿管結石みたいに超音波などで破砕する方法も採らないそうです。
(上記内容は、医師の話とネット上複数のサイトに書いてあることを総合してまとめたものです)
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唾石(自分から取り出されたもの)
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第三ステージ H病院外来 |
1週間後の休みの日。 紹介状を持ち、H大病院に足を運びました。H大病院は市内でも混んでいると評判で、どのぐらい待たされるのだろう?と恐る恐る出かけると、耳鼻科外来は意外に空いていました。初診専門の日だったのです。 先生がN病院で撮ったCT画像を見ながら診察し、改めて顎下腺腫瘍唾石症と診断。担当の主治医が決められ、予約を取ってその日はおしまいです。 会計の明細を見ると、初診料のみでした。 別の日、主治医のH先生の診察を受け、やはり手術が必要とのこと。 「手術いつにしますか?」「6月まで引っ張れますか……」「うーん……Sさんが大丈夫なら構わないでしょう」 6月の手術予定と5月の診察予約を取りました。1ヶ月前に検査、3週間前に検査の結果を元に手術をするかどうか、確定するとのこと。(全身麻酔は何かとリスクがあるので、できない人もいるらしい) 3月〜5月 会社の仕事やPTAの仕事など、忙しい日々が続きました。 手術予定日の1ヶ月前。 主治医の先生に診てもらった後、レントゲン、血液検査、尿検査、肺活量の検査、心電図とありとあらゆる検査を受けました。 心電図は、ここ1ヶ月来、献血と健康診断で立て続けに受けていたので、変な感じです。 どうやら、全身麻酔と関係があるようです。血液検査センターは大勢の患者でごった返していて、番号札まで用意されている始末。看護師さんは伝票を見ながら流れ作業で採血していました。 3週間前。 検査結果を見た主治医の先生は「手術しましょう」と診断。 ただし「ここ、H大病院は近県各地から難病の患者も集まるため、緊急を要する手術が入った場合は(比較的軽微な)Sさんの手術日をずらしてもらうこともあり得ます」とのことでした。 仕事の事が頭をよぎりましたが、県内でも屈指の病院にかかったわけですから、その時はその時です。 帰りがけに、入院窓口に寄り、書類や案内のパンフレットをもらってきました。 承諾書やら申込書、意志確認書など沢山の書類が冊子になっています。 10日ぐらい前になって、病院から「手術の日程が確定しました」と電話がありました。 実は、1ヶ月ぐらい前から…… いつものように唾石のあるところをぐりぐり押して「膿」を排出していると、膿に血が混じっているのに気がつきました。 膿を出し切ってもまだ腫れている感じはしているし……限界だったのかもしれません。 |
手術について受けた説明(概略) |
●全身麻酔下で行い、顎の下を切って顎下腺を唾石と一緒に取ります ●予想される術後の障害 皮膚切開による障害、皮膚の知覚障害 ●起こりうる合併症 顔面神経の麻痺(唇の締まりが悪くなるなど)、 出血、痛み(傷口の止血、鎮痛剤) 創感染(抗生剤投与) 脳梗塞など(予防のため、脚をきつく締め付ける「弾性ストッキング」を着用) ●全身麻酔 緊急を要する場合、可能な限り家族(代理人)と連絡を取ってから処置するが、担当医の判断で処置を行うこともある。(代理人は手術中、病院内で待機しなくてはならない) 合併症が発生することもある。死亡率は8万例に1例。 気管挿管を行うため、のどの痛み、声がかすれる、歯が折れる、吐き気、その他の症状が出ることもある 気管挿管ができない場合、気管切開をおこなう と、物々しい(?)説明を受けましたが、私が体験したのは赤色の部分です。 |
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